極上ショコラ【短】
「パーティーに出てやるんだから、これくらいいいだろ」


「で、でも……」


「ゴチャゴチャうるせぇな。俺はちゃんと原稿も上げたし、大嫌いなパーティーにも出るんだ。これくらい、ケチケチするんじゃねぇよ」


言い終わると同時にあたしの顎を指先で掬った篠原は、抵抗の言葉を紡ごうとした唇を塞いだ。


啄むキスを二回落とされ、舌が絡め取られてしまう。


こんなキスをされて抵抗出来る程、あたしの意志は強くない。


いくら境界線を張ろうとしても、篠原はあたしのガードを簡単に壊してしまうのだから…。


この恋は、きっと媚薬よりもタチが悪い――…。


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