極上ショコラ【短】
「ほら、ボーッとするなよ」


言い終わるよりも早く、篠原があたしの奥を突いた。


まだ泥濘のようなままのそこは、彼自身を離そうとしない。


「そんなに気持ちいい?俺の」


それに気を良くしたらしい篠原は、熱を持って収縮するそこを抉るように腰をぐるりと回した。


漏れるのは、甘い嬌声。


口の中に残るチョコの味が、ドロドロに溶かされたあの夜を思い出させる。


「もっと俺に溺れろよ」


もう充分過ぎるくらいに篠原に溺れているあたしは、骨の髄までドロドロに溶かされてしまう事を予感し、この極上の恋から今度こそ本当に離れられないだろうと思った――…。





             END.


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