憎悪と、懺悔と、恋慕。
 
 大きめに息を吸って心を落ち着かせると、早川さんの隣に座り直した。

 「・・・湊は、ワタシの気持ちを踏みにじってまで、莉子ちゃんと付き合いたいの??」

 どんどんおかしくなるオカンの思考についていけない。

 「踏みにじってなんかないだろうが」

 「湊は、ワタシと莉子ちゃん、どっちを取るの??」

 わけの分からない質問を、真剣な顔でしてくるオカン。

 「・・・・・・」

 どうしていいのか分からなくて言葉に詰まる。

 「莉子ちゃんを取るの?? ワタシは死んでも良いって事??」

 最早理解不能なオカンの言動。

 「はぁ!? 何言ってんの!??」

 「・・・死ぬわよ。 いいの?? 死ぬわよ!??」

 自分の母が手に負えない。
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