【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀
スタンドライトの薄暗い明りの中で見える隼は綺麗だ。
色気があって羨ましいと思う。
「隼って色気あるね」
フッと鼻で笑い
「襲われてーのかよ」なんていうから
ぶんぶんと横に首を振った。
「親父帰ってきたけど、遅いから明日にしてもらった」
「組長さん?」
「あぁ。心配して顔を見に来ようとしてお袋に怒られてた」
「あはは。明日きちんとご挨拶しなきゃ。6時に起きれば平気?」
「何でそんな早く起きるんだよ」
「朝ご飯の手伝いとか」
「いらねーよ」
「そういうわけにはいかないよ」
「元気になったらお袋と相談しろ。6時には起きてないけどな」
クスクス笑いながら優しく髪を撫でてくれる手が心地いい。
「隼…眠れそう…」
「安心して寝ろ」
瞼を閉じたとき、額にチュッって唇が触れたのがわかったけれど
それも安心感を与えてくれて私は隼の腕の中にくっついて眠りに落ちた。