【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀
「若も結衣さんもやめてくださいよ。もうそんなの忘れちゃいましょ。こうやって来てくれてまた結衣さんの花が見れるなんて嬉しいんですよ」
黒埼さんの言葉は本当に嬉しかった。
いつものように準備をして、活けてるある花を外す。
タイミングもちょうど良かったみたいで安心した。
もってきた花を開くと
隼が「その花か…結衣の匂いかと思った」
なんて吹き出していて
黒埼さんが、
「あぁ…この花…」
柔らかい笑顔になった。
「そうです。結です」
私が黒埼さんに話していると
「結衣?」って隼が聞くから
「このバラの名前が結でゆい。私と同じ名前」
「結衣さんみたいな花だと思いませんか?どこか儚げでね…。それなのに愛らしいじゃないですか」
隼はクスクスと笑いだした。
「そうだな。結衣みたいだ。それに匂い」
「ミルクティーですね」黒埼さんが笑い
「結衣はこのバラそのままだ」って隼が1人笑っていた。
活けている間も「まぁ色はもうちょっと白に近いな」とか
2人で楽しそうに話しているから言わせておいた。