【完】甘い香りに誘われて*極道若頭×大人の♀
「結衣ちゃん司来た」
大和さんに言われフロアの入り口を見ると優しく手をふる司の姿で
「うわ…悪の根源が来た」
「VIPに移って」
大和さんにそう言われ私は自分のグラスとバッグを持つと
自らVIPROOMへと足早に歩いた。
ここで拒否をしたらどうやってVIPROOMに連れていかれるかは
身をもって体験済みだ。
「結衣、何か言われたか?」
VIPROOMに入るとすぐにガラスのスイッチを入れた司が
心配そうに聞いてきた。
「想像は裏切らないと思うけど?」
大きく溜息をついて司に言えば
「ごめんな。結衣は可愛いから余計言われちゃうんだよ」
子ども扱いするように私の頭を撫でながら司がいう。
カウンターに座っていると、2人とも私が気にしないようにしてくれているのはわかる。
それでも大きなため息しか出てこない。