そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

「それで、"魅惑のおっぱい"は売れたのか?」

「あ、はい!女王様から3ケース予約をもらいました!」

「……女王様?誰だソレ?」

「あ、アダルトショップのSMの女王様です」

「お前、意外な交友関係持ってるんだな。まぁ、売れればなんだっていいが……」


陸さんの方は、以前勤めていた会社で付き合いがあった人をまわり、なんとか20ケースの予約が取れたそうだ。白ポチャ達は2ケースがやっとだったみたいで、1000ケースなんて程遠い。


後9日で975ケースなんて……


「間に合いますかね?」


不安になりそう聞くと、陸さんは笑顔で大丈夫だと言ってくれた。でも、その自信は何処から来るんだろう?


「心配すんな。"魅惑のおっぱい"は俺が売れると確信した商品だ。何がなんでも発売させてやる」


陸さん……


「だから……ギャフン!」

「えっ?なんですか?」

「約束したろ?お前が売れる商品考えたらギャフンって言ってやるって……。あ、まさか忘れてたのか?」

「え゛っ……?あ、もちろん覚えてますよー」


ヤバっ!完全に忘れてた……でも陸さん、私とのこんなどうでもいい約束覚えててくれたんだ……


そう思うとなんだか嬉しくて、自然に笑顔になる。


「お前のいいとこは、底抜けに明るいとこだ。だから、しかめっ面してないで笑ってろ」


あ……。私のこと、そんな風に見ててくれてたの?


嬉しくて胸がキュンとするが、同時にあのことを思い出しテンションが下がる。


―――昨夜の陸さんとイケメン弁護士の会話……


「あの、陸さん……私に隠してること……ありませんか?」


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