呪いのブレスレット
「小杉健人? 健人は休みか? 誰か聞いているか?」

健人と仲が良い男子生徒もなにも聞いていないようで、わからないと言うように首を振り肩をすくめる。

出席をとり終えたかっちゃんは重苦しい深いため息のあと、口を開いた。

「……みんなに悲しい知らせがある」

その瞬間、あたしはハッとなった。

そう言えばひかりが来ていない。かっちゃんはひかりの名前を飛ばした……。

隣のひかりの席に視線を動かすと、ぞわっとなんだか背筋が凍りつくように寒くなった。

「昨晩20時頃……吉村がトラックに轢かれて……病院へ運ばれた。処置のかいもなく……亡くなった……」

「ひかりが……? 死んだ……?」

愕然となった。

そんなのは冗談……嘘だと思った。まさか、昨日バイバイと別れたひかりが、死んじゃったなんて信じられない。

クラスのみんながざわざわとざわめいている。

そのざわめきは遠くに聞こえて、目の前がくらくらした。

ザァーっと血が足に落ちていく感覚。


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