呪いのブレスレット
「あ、おかえり。亜美ちゃん」

「ただいま。ね、このブレスレット、なに色に見える?」

「なに色って? 薄いピンクに決まってるじゃん。変な亜美ちゃん」

「そ、そうだよね。ピンク色だよね」

あたしは更に困惑しながら麻美からブレスレットに視線を戻した。

視線の先にあるのは血のようにどす黒い赤。

やっぱりあたしの目がおかしいの?

部屋に戻ると、ひかりの形見分けが入っている箱を持った。

ベッドの上に座ると箱を横に置き、赤く見えるブレスレットを見つめる。

どうしてなんだろう……。気味が悪い。

箱のふたを開けると、ブレスレットを中にしまった。

そこには訳の分からない小杉宛ての「好き」ばかり書かれたピンクの封筒もある。

ふたをすると、ベッドの下に置いた。

目につくところに置きたくなかったのだ。

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