恋物語。




「っ…!!!」




い…井上さん…!?




そのメールの相手は、まさかの井上さんだった。



【知沙ちゃん、おはよう。今週の夜…空いてる日ってある?】


そんな内容のメール。




今週の夜…?今週は…




【おはようございます。金曜日なら大丈夫です。】


そう打ってメールを送信。




金曜日なら…次の日はお休みだし…夜遅く帰ったって平気だもんね。





するとすぐに…―、




ブーッ…ブーッ…



また携帯のバイブが鳴る。




返信早っ!!って…たまたま見てただけかな…?




【金曜日ね、了解。じゃあその日、一緒にご飯行こう。】




えっ…えぇーー…!!さ、誘われてしまった…っ!!


こ、これっていいのかな!?

てか私…一応だけど付き合ってるんだよね!?井上さんと。
じゃじゃあ…お誘いに乗っても…いいんだよね…!?




【はい、分かりました。】


いろいろ葛藤した結果、こういう結論を出した。





ブーッ…ブーッ…




だ、だから早っ…これもたまたまなのかな…?




【じゃあまた場所と時間、連絡するから。楽しみにしてる。】



「//…」


最後の一文に…少し照れてしまう。



“楽しみにしてる”

そう言って微笑んでいる井上さんが想像できてしまった。




…って!いけない、いけないっ!!仕事の続き、しなきゃっっ




そう思い直して少しずれてしまった眼鏡を直し業務の続きを再開させた―。





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