ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
繊細ト恐レ

9.





子供の頃、母親が好きで飾っていたガラス細工を手にして、壊してしまったことがある。

母親は怒りもせず『壊れちゃったなら仕方ない』と笑ってたけれど、その時の俺は触っただけでいとも簡単に壊れたそれが少しショックで、その日から、似たような物には触れていない。



あの日抱き締めた君は、やっぱり小さくて細くて、その幼い頃と似た気持ちを思い出させた。





「じゃあ青井、これよろしく」



社員旅行も終わり、戻ってきた日常。目の前の俺のデスクにドサッと資料やデータを置き、先輩はスタスタとその場を去って行った。


< 178 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop