ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛



誰の前でも見せるその笑顔。色んな人の前で見せているのを、俺も何度も見かけている。

だけど思えば、その顔がこうして照れて真っ赤になるのはあまり見られないかもしれない。もしかしたら、俺の前でだけ?なんて、自惚すら生まれ出す。

それが何だか嬉しくて、溢れる気持ちは笑顔となって現れる。



「…な、何で笑うの…?」

「…なんとなく」

「えぇ??」



あの日、どうして彼女が俺の笑顔の理由を気にしたのかはわからない。



『誰の前でも笑うんだと、思ったりして…』



それじゃまるで、今の俺と同じ。誰の前でも笑う君に、言いようのない気持ちを抱えている。

その笑顔が嬉しい。俺だけに向けていてほしい。そう想うけど伝える術は持っていなくて、またよそに向けられる笑顔に腹が立ったりして、だけどこちらに向けられると許せてしまう単純な自分もいて。



「…青井くんの笑うポイントって、時々わからない」

「そう?結構わかりやすいと思うけど」

「全然!」



どうして笑うか?それは、君が笑うから。可愛い君が、笑顔を向けてくれるから。だからもっと笑顔になれる。

たったそれだけ、それだけのこと。







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