天才極甘党系男子



検査も終わってひと段落ついたところで、
颯佑は着替えてくる、とわたしをロビーに置いて関係者意外立ち入り禁止区域に入っていく。


「これからディナーなんでしょ?」


「えっ」


「びっくりした?ごめんね」


そこにいたのは木元さん。


「もうね〜嬉しいの、あたし!」


「どうしてですか…?」


「だって、あの颯佑だよ??ディナーに誘うなんてすごいよ」


ニヤニヤとしながらわたしに話す木元さんは本当にうれしそう。


親みたいだ。


「それより!友達なんだから敬語禁止!」


「え、」


「颯佑に、普通に話してるんだからできるよね??」


そう言ってわたしを見る。


頷くしかなくて頷いてしまった。


「うんうん。あと、咲和って呼ぶんだよ?」


「わかったよ」


なんか、友達になると印象が変わる咲和。


その変化についついにやけてしまう。



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