嘘つきなポーカー 1【完】


だが恭平は薫の攻撃をいとも簡単に避けてしまった。

恭平の目付きが鋭く変わった。


「…小野寺くん、僕のことをなめてもらっちゃ困るよ。」


恭平は静かにそう言うと、薫の顔面目掛けてパンチした。
恭平の拳は見事に薫の右頬に入った。


「一応僕もこのグループの長だからね。」

「…っ」

「僕はね、この日をずっと何年も、心待ちにしてたんだ。」


恭平はそう呟くと、薫に向かって殴りかかった。

しかし今度は薫がそれをいとも簡単に避けると、恭平のみぞおちのあたりに思い切り拳を入れた。


「ぐっ…」


恭平の顔が苦痛に歪む。






< 258 / 451 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop