ラヴコリーダ
部長は横に顔を向けた後、
「まあ、入って日が浅いから知らないのも無理はないか…」

呟くように言った。

わたしの方に顔を戻すと、
「いっそのこと、俺に食われた方が正解か?」
と、ささやくように言った。

「えっ…」

食われた方がって…ええっ!?

「あ、あの、ぶ…じゃない、ひ、秀俊さん?」

戸惑っているわたしとは対照的に、
「そうと決まったら、早速だな」

部長はわたしの手をひくと、また歩き出した。
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