ラヴコリーダ
そう、嫌いではない。

いや、嫌いではなくなったと言った方が正しいかも知れない。

好きかどうかと聞かれたら、それはそれで困るけど。

「そうか」

部長が言った。

「不安だったんだ。

俺の一方的で、俺ばっかり好きだって言ってるような気がして、不安だったんだ」

わたしは部長の背中を見つめた。

「涼香の気持ちが聞けたなら、それだけで充分だ」

「…部長?」

返事がない。

「…秀俊さん?」

名前で呼んでも返事がないってことは、もう寝ちゃったのかな?

わたしもベッドのうえで横になった。
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