センセイの好きなもの
大先生はあたふたしながら、こちらへやってくる。


「交渉ってその、ね…。お前そうだったの?」


「そうだったのって何が?」


見るからにふてくされている巧先生は、だるそうに体を起こす。その横に大先生がちょこんと座った。


「だから、な。見るからにさ、ツムちゃんに詰め寄ってただろ?お前はツムちゃんのこと好きなの?」


「ゴホッ!」


私はお茶を飲み損ねてむせてしまった。気管が痛い。


「お前、絶対に押し倒したりするなよ。女の子にはちゃんとしろ。紳士的な行動を取ってくれよ」

「おい親父。俺、ツムのこと好きだなんて一言も言ってないけど?それに交渉の内容はペラペラ喋れません。でもまあ、ツム次第かな」


巧先生はニヤリと私を見る。

ちょっと待ってよ、先生。ハウスキーパーって本気なの?
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