殺戮都市
ライダースーツの女性が持っていた、棒と思われた物はトンファーという武器で、それをクルクルと回転させた後、脚の収納具に納めた。


身体中が痛い……食い込んだ牙を外す力もないし、助かるとも思えない。


もう死ぬのかな……。








「……星5武器をこんな子供が。おい、ソウルはまだ残ってるか?」








今にも死んでしまいそうな俺の前に屈んで、そう尋ねた女性。


ソウル……ガチャはまだ一回しかやっていないから、あと5個残ってるけど。


このタイミングで俺にガチャでもさせようってのか?


痛みに耐え、何とか首を縦に振る。


すると女性は腰に装着したナイフを取り出して、それを逆手に持ったのだ。













「そうか、だったら殺してやる。ありがたく思え」













何を言っているのか分からない。


ソウルを持っていたら殺す?ありがたく思え?


俺がその言動を理解する間もなく、何の躊躇もない女性の一撃が俺に加えられた。


ドンッ、衝撃が頭に走る。


ナイフが俺の右目を貫いて、脳に達したのだろう。


どうしてこんな事になったのか、何が起こっているか分からないまま……俺の意識は無くなった。


死んだという事が分かったのは、それからしばらくしてからだった。
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