彼氏人形(ホラー)
後悔する買い物はしないほうがいい。


そう思い、あたしはまずお店の電話をプッシュした。


耳元でコール音が鳴り響く。


1回、2回、3回。


10回ほど鳴らしても、電話はとられることがなく、あたしは諦めて電話を切った。


もう遅い時間だから閉店したのかもしれない。


あのような特殊なお店は開店時間が遅く、閉店時間が遅い可能性がある。


そこであたしはもう1度名刺に視線を落とし、今度は藤井さんの携帯番号をプッシュした。


発信ボタンを押してコール音を聞く。


1回2回3回……しかし、結局その電話も取られることはなかった。


あたしは脱力し、再びベッドの上に寝転んだ。


明日もう1度実紗と話しあって、それから本当に購入するかどうか決めよう。


そう思い、仕方なく目を閉じたのだった。
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