極上な恋のその先を。




「―――渚、結婚しよう。

俺はもう……お前を一生、離してやれない」





…………。






「お前は、ほんと泣き虫だな」

「……ふぇ……」




だって……だって……!



呆れたように笑うと椅子から立ち上がったセンパイに、ゆっくりと抱き締められる。

腕の中で揺れるようにあやされて、そっと髪にキスを落とす。




「で? ……返事は?」

「っ……はい……はいっ!」



耳たぶを甘噛みしながらそう問われ、あたしは泣きながら何度も頷いた。
センパイは嬉しそうに目を細めると、甘ったるいキスの雨を降らす。


このキスは、センパイの想い。

ひとつひとつに、想いが込められていて。
その全部が、あたしの中に入ってくる。



「ハチ公に負けないくらい、健気な奥さんになりますっ!」

「っはは。期待してんぞ」



キスの合間にそう言えば、センパイは少年のようなキラキラした笑顔で笑った。


センパイ……センパイ……。

大好きです。


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