【完】甘い香りに誘われて 3 極道若頭×やんちゃな姐さん


「姐さん、兄弟の盃はいろいろ準備が必要でね、すぐにしとうても出来ひんのですよ。」

奥野さんが教えてくれた。


「あ…はい。すみません。」


「そんでも、この先代の八重さんの盃も同じぐらい深いもんや。受けてやってくれやせんか?」


組長さんに言われ


私はまた隼の顔を見ると


うんと頷いてくれたから


「はい。謹んでお受け致します。」


頭を下げると八重さんが早く交して次郎長の続きを見ようなんて言い出すから恥ずかしくなった。



だけど石松の行方がわからなくなったという場面で続きが気になっているのも確か。


隼はゲラゲラ笑っているけれど八重さんは何といってもBOXを持っている。


赤くなりながら伝えると仁義をきったことまでこの場で言われてしまった。


みんなも大笑いを始めたけれど話の流れでそうなっただけだ。


それに私だけじゃなく八重さんだって本物の仁義をきってくれた。




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