・約束
・・・雅也side・・・
今日は食品メーカーへ出向いて打ち合わせらしい。
取材などは入っていないけど、
メーカー担当者と初顔合わせになるからとマネージャーからスーツ着用の指示があった。
「あんま好きじゃねーケド、仕方ないか…」
とりあえず、指定された通りの準備をし終えたところで
マネージャーが迎えに来た。
「スーツ指定って事は、メーカー担当者って堅物なの?」
「…いや。担当は女性らしいから、一応好感度下げないように情報漏れ対策」
「なるほどね」
都内にデカイ自社ビルを持つ食品メーカー本社。
正面玄関に車を停め、ロビーに入る。
広いロビーで女性社員たちが群がっている。
確かに、この状況でラフな格好じゃイメージダウンだな。
俺たちが到着する少し前には、
美央も同じ状態で男性社員が群がっていたようだ。
最上階の会議室に案内され、ドアを開けると美央がソファに座っていた。
「あっ。雅也さん♪」
「…どうも」
「やだ。そっけない返事。私と雅也さんの仲なのにぃ」