・約束
「帰るなよ」

雅也は腕を掴んで離さない。


「離し…て。お願い…」


これ以上、一緒に居たら
私は部長を裏切る事になる。
雅也は坪井さんを裏切る事になる。

ここまで頑張ってきた雅也をダメにしてしまう…


分かってる。分かりきってるのに…




「雅…也」
腕の中に戻ってしまった。


私は気持ちを抑える事が出来なかった…




何度か唇を重ねながら、隣りのベッドルームへ導かれる。
そっと上着から順に脱がされ、キャミソール姿に。

フカフカのダブルベッドに倒れ込んだ。


「…春夏…」
優しい口づけが体中を包む。







私達は…重なり合い、一つになった。






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