極彩色のクオーレ





「ガハハハ、確かにな。


浪費癖も金目目当ての盗賊も厄介だもんな。


ありがたく頂くとするよ」




他の狩人たちも、口々に礼を言った。


少年の姿が見えなくなるまで、若者たちは手を振り続けた。



「しっかし、面白い奴だったなあ」


「面白い?すごい奴の間違いじゃねえの?」


「あれを凄腕って言うんだろうな。


あんなに早くて、しかも完璧に直せる修理屋、見たことねえもん」


「あっ!!」



突然、一人の青年が声をあげた。


昨夜、少年と共に食堂の片づけをしていた彼である。


すぐ傍にいた若者は大げさにのけぞり、別の青年はうるさそうに耳を塞いでいた。



「うお、びっくりした。どうしたんだよ」


「忘れてた……」


「なにをっすか?」



年下の狩人に、青年はしまったという表情を見せて言った。





「名前だよ!俺、あいつの名前聞くの、すっかり忘れてた!!」




< 39 / 1,237 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop