Innocent Smile~ずっと一緒に~

「お姉ちゃん、外暑かったでしょー?」


優しい妹の亜樹奈が、キッチンから冷たい麦茶を持ってきて目の前に置いてくれた。


「ありがと。」


あれ? 弟も独り暮らしをしてて、今日帰ってきてるって聞いたけど?


「亜樹奈、拓真は?」

「お兄ちゃん、帰ってきてたけど出かけたみたい。
地元の友達と遊びに行ったのかなぁ?」

「あっそ。」


別にいなくてもいいけどね。
弟にベタベタなんてされたら、逆に気持ち悪いし。


「佐那子、相変わらず仕事忙しいの?」


少し呆れた口調で、お母さんが冷えたスイカを持ってきてテーブルに置く。


「うん、まぁね。」

「アンタはいつ会っても、仕事仕事って……」

「……しょうがないでしょ。」

「そんなこと言ってないで、早く結婚してほしいもんだわ。」


出たー!

これ言われるのが嫌だから、実家から足が遠のいていたのに。

お母さんったら、私が帰ってきていきなり言うんだから。


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