愛してもいいですか



「そんなに眉間にシワ寄せてばっかりいると消えなくなっちゃいますよー?」

「仕方ないでしょ、考え事してると勝手に寄るの」

「へー?何にお悩みで?」



首を傾げる日向に、先程から見つめていた紙を見せる。



「あー、これですか。結局誰に決めたんですか?」

「それを悩んでるのよ。ねぇ、日向ならこの二人のうちどっちがいいと思う?」

「デザイン部のベテラン・北村さんか、新人・前田くんか……あれこれ並べると甲乙つけ難いですねぇ」



二人の情報は頭に入っているのだろう、私が詳しく言う前にある程度を察すると、日向も一緒に頭を悩ませる。



「んー……あ、なら二人にテーマに沿ったデザイン案を出させて、良いほうを選べばいいんじゃないですか?」

「でもそれじゃ、折角頭悩ませてデザイン設計をするのに選ばれなかったほうは報われないじゃない」

「あはは、架代さんって本当真面目っていうか、バカっていうか」

「なんですって!?」



バカ!?

カチンときて怒鳴ろうとした私に、日向は先程眉間に触れた指先でまるで黙らせるように私の唇にトン、と触れる。



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