Candy House

お節介な人たちのパーティー

時計が夕方の5時を指差した時だった。

「よし、終わりにするか」

それまでマンガを読んでいた上野さんが顔をあげた。

「えっ、早くないですか?」

だいたい5時半とか6時に閉店するのが、『キャンディ・ハウス』である。

今日はそれよりも30分とか1時間早い。

「今日さ、外食にしない?」

ほうきとちりとりを片手に、安部さんが言った。

「が、外食…ですか?」

あたしは訳がわからなくて聞き返した。

「ノゾミちゃんも朝昼晩とご飯作ってるから、疲れるでしょ?

だから今日は外で食べようって」

上野さんが言った。
< 111 / 370 >

この作品をシェア

pagetop