Candy House
5月1日――長期の休みの前日の夕方のことだった。

その日、いつものようにスーパーマーケットに行って我が家へ向かっていた時だった。

前から走ってくる男がいた。

ずいぶん急いでるのね。

そう思いながら歩いていた時、
「きゃっ!」

男と肩がぶつかり、しりもちをついてしまった。

男はあたしとぶつかったことに気づいていないのか、それとも面倒なことに巻き込まれたくないと思ったのか。

どちらにしろ相手の事情はよくわからないけど、ぶつかった当人はあたしの前から走り去ってしまった。
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