不器用なシンデレラ
3、携帯の充電は忘れずに
「山下さん、おはよ。もう大丈夫なの?」  

 8時30分の始業時間ぎりぎりにオフィスに入ると、本田さんが優しく声をかけてくれた。

「はい。金曜日はいろいろとご迷惑おかけしてすみません」

「飲ませた僕達も悪いし、気にしないで。それに、面白いもの見せてもらったし」

 本田さんが理人くんの方を見てクスッと笑う。

 そんな本田さんの視線を感じた理人くんは、本田さんをギッと睨んだ。

「え?」

 面白いものって何?

 訳が分からない。

 首を傾げると、肩をポンポンと軽く叩かれた。

「ああ、いいの、いいの。こっちの話。今日はあまり無理しないで」

「はい。ありがとうございます」
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