不器用なシンデレラ
「・・・うそ」

 本田さんから1件、理人くんから3件も着信があった。

「あのクールな御曹司がすっごく心配してたのよ。あの顔、あなたにも見せてあげたかった」

 気づけば留守電が1件。

 ボタンを押すと聞こえてきたのは理人くんの声。

『お前どこにいる?何かあったのか?この伝言聞いたらすぐに連絡しろ』

 理人くんは変わっていなかった。

 幼稚園の頃の優しい理人くんのままだった。

 私って最低・・・・・。

 彼の何を見ていたのだろう。

 自分の事ばっかりで何も見ていなかった。

 私を気遣うようなその優しい声に、知らず涙が零れた。
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