みんな病んでる。
「おーい、外でバレーボールしようぜ!」

クラスのリーダー各のリョウが、教室内の生徒に声をかける。

今日は天気がいい。外で遊ぶのには、格好のお昼休みだ。

「あ、アホ毛は来るなよ。ボールに毛が生えて栗みたいになったら困るから」

リョウが私に言った。

私のあだ名は”アホ毛”だ。

髪の毛を抜いたところに、またあたらしく毛が生えてきて、その短い毛がチクチクとまるでオバQのように立っているのだ。

短すぎる毛は、生命力溢れていて、ムースでもハードワックスでも倒れてくれない。

私は常に、短いアンテナを無数に立てていた。

……どんっ。

「悪ぃ。アホ毛」

リョウに駆け寄る男子が、私の肩にわざとぶつかっていった。

「アホ毛って、ガリ勉~」

もうひとりの女子が、そんな言葉を投げかけていく。

私はいつも、教科書を開いて勉強をしていた。

だって、私をバカにする連中には負けたくない。

運動にも容姿にも自信がない私は、勉強でしか奴らに打ち勝つ術を知らないのだ。
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