みんな病んでる。
私は唐突に、椅子に立ち上がると、片脚を、ダン! と机の上に乗せた。

ざわっ……。

私の脚を見て、教室内が騒然となる。

「どうよ?」

今まで、髪の毛や靴下、衣服などで隠してきた傷痕を披露した。

何だか、スターになった気分だった。

「オマエ、キモ~」

冷徹な視線の中、私の脚にそっと触れるものがあった。

ユウカだった。

私が以前あげた手袋を外すと、彼女は私の脚に直に触れてくる。

「……綺麗ね……」

ああ、やっぱりこの子は”同類”だ。

教室内は異様な空気に包まれていたけれど、私とユウカを取り巻く風は、柔らかく、安心できるものだった。


φφφ  hold out φφφ
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