不機嫌な彼のカミナリ注意報
7.彼女の古傷
***

『寧々、今度また食事に行こう。俺、お洒落で美味そうな店を見つけたんだ』

 え………誰?………

 視界がかすんで……ぼんやりしてよく見えない。

『誰って、俺の声忘れたの? 酷いなぁ』

 もしかして………斗夜(とうや)
 斗夜がどうして私の前に現れるの?

『どうしてって……寧々のことが好きだからだよ』

 ……違うでしょ。
 あなたは私のことなんて好きじゃない。

『好きだよ。前から好きって言ってるじゃん』

 ずるいよ。……どうして今更そういうことを言うの。
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