激甘警報発令中!恋人たちの甘い ラブ・ジュレ
俺は17階に上がり

輸入部のガラスのドアを無言で押し

ブースが並んだ通路を静かに歩いた。

その一つに近づいた。

背を向けて座った女性社員は電話中だ。

「承知しました。ご連絡をありがとうございます。失礼します。」

彼女は津川舞。

パソコンの画面に意識を集中していて

俺が背後にいることに気づいていない。

彼女は先週出張先の香港へいきなりやって来た。

週末を二人で過ごした痕跡は今の彼女にはなく

俺はがっかりした反面

仕事中の彼女をこっそりと拝めて

一人ほくそ笑んだ。

< 7 / 24 >

この作品をシェア

pagetop