元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー



あたしは来龍の姫で、それをみんなも、周りも分かっているはず。


姫とは本来守られるべき存在で、来龍にとって唯一無二の存在。


なのに、なのに。


後から入ってきた、アイツが悪いのよ?


”そこ”はずっとずっとあたしの居場所。

そう、これからもずっと。



だから、誰かに奪われるなんて有り得ないのよ。


守られるべき存在で、必要とされるのはあたしだけで良い。


他は、要らないの。



所詮、周りだって、あたしにとったらただのエキストラに変わりない。

物語の主役は、お姫様。だから…当然、その位置につくのはあたしでしょう?

みんなはね、あたしに従ってくれればいいの。愛してくれれば、それでいい。



愛してくれれば、あたしも愛してあげるから。





_ねぇ、あの子ばかり見ないでよ。







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