裏腹な彼との恋愛設計図

甘く惑わすワンルーム



「……意外とキレーにしてんだな」

「意外とって何ですか」


部屋に上がった柊さんは、私の十二畳ほどの部屋をぐるりと見回して言った。

ミルキーホワイトの家具で統一したヨーロピアン調の部屋は、ちょっぴりエレガントな雰囲気で自分でも気に入っている。


でも、今はそんなことより応急処置!

私は彼の腕をひいてキッチンのシンクに向かい、怪我をした部分を綺麗に洗い流す。

そして、棚の上からラップを取り出した。


「ラップ?」

「あ、湿潤療法って知りません? 今は消毒するよりこの方法が主流らしいですよ」


傷口には何も付けず、ラップを巻いておくだけ。

こうするのが治りが早いのだと、何かのテレビ番組で見たんだよね。


「あぁ、なんか聞いたことあるな。だから家に来たわけか」

「そうです。包帯とかもあるし」


納得したような柊さんに、私は得意げに笑ってみせた。

前、私が階段で転んだ時にも同じようにして使った包帯の残りがあるんだよね。

バカにされそうだからあえて言わないけど。

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