追いかけても追いかけても
朝食を作っていると後ろから声をかけられた。
「おはよう。早いな」
まだ眠たそうな奏多。
「おはよう!目が覚めちゃったのー」
ニコっと笑いながら答えて奏多に着替えてくるように伝える。
奏多は言われた通りに着替えに行った。
テーブルに並んだ朝食は特に変わったものもなく、ご飯に目玉焼き、お味噌汁だ。
私は凝った料理は作れない。
でも奏多はこんなものでもいつも「うまい」って笑ってくれる。
いつもより支度が早く終わった私はまだ支度をしている奏多を見ている。
そんな私の視線に気づいたのか奏多がこっちを見て「どうした?」って。
私は首を横に振り、なんでもないと伝える。
奏多は178cmあり私はいつも見上げている。