追いかけても追いかけても
「知らない!まーくんがいけないんじゃない!」
「あれは本当に誤解なんだよ!ちゃんと話しを聞けよ!」
この声は八代さんとその元カレの大石誠先輩だ。
聞いちゃダメだと思いながらも息を殺して耳を傾けてしまう。
「誤解?なんでまーくんの部屋に上がるの?何が誤解だったの?お姉さんや妹とかいないよね?」
「女兄弟はいない。あれは従兄弟だよ。母さんの妹の子ども!」
「そんなの信じられるわけないでしょ!なんでも従兄弟って言えば納得すると思ってるの?」
「電話して確かめても、あいつの家に行ってもいい。本当に従兄弟なんだ」
「なんで従兄弟が家に来てるの?」
まだ八代さんは信じていないみたい。