きみの声を聞かせて



「だからヤキモチだよ!悪いかよ。



今度は絶対すんなよ!」



それだけ言うと、翔矢くんはわたしを置き去りして歩いて行ってしまった。



何だったんだろ……今の。



わたしはそれから一歩も動かけないまま。



普段……バスケのことしか考えてなさそうな彼がヤキモチを妬くなんて思いもしなかった。



びっくりして、焦ったけど、でも今はニヤケてしまいそうなくらいなんだかうれしい。



もしかして、翔矢くんはわたしをって一瞬思ったりもしたけど……



考えてみたら、私たちは三人とも同じ部活で、よく一緒にいるから



事故だとしても、キスしちゃって、その勢いでわたしと渚くんが付き合ったりしたら



今まで通りに行かなくなっちゃうし、それが嫌なのかな?



だからあーやって言ってきたのかなって思うと納得できた。



そして最初は主演をやることになって憂鬱だった二日間の文化祭も気付けばあっという間に過ぎ、



わたしたちのクラスは見事ステージ部門で賞をもらえて幕をとじたんだ。



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