SweetS Time ~君はマシュマロ~
肩に置かれた大きな手、次いで彼を見上げると、理子の顔に喜びが浮かぶのを、いまかいまかと待っている視線とぶつかった。

「これ、一樹が全部用意したの?」

「理子、スイーツに目がないだろ? 仕事柄、理子の為になにかしてあげることってあんまりなかったからさ、なにができるかって考えたとき、スイーツ系なら絶対喜ぶだろうって思いついたんだよ」

白い歯を見せ、爽やかな笑顔で笑うわたしの彼は……人気アイドルグループのひとり、松永一樹。
デビュー当時からトップを走りつづけてきた彼は、高校の同級生。半年前にあった同窓会で、運命の再会。
なぜ、ごく普通のOLのわたしを選んでくれたのか不思議でならないけれど、同窓会をきっかけに自然と会う機会が多くなって、気づいたら恋人という関係に。

ファンクラブには何十万というたくさんのファンが入会しているし、テレビで見ない日はないくらい注目されている彼。
人気におごることなく、どこにいっても自然体で飾らない一樹。
誰もがあこがれる、夢のような彼。
その彼がわたしのためにセッティングしてくれた、スイーツプラン。

その気持ち、嬉しい!
とっても嬉しいんだけど……。
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