奥様のお仕事
外の雪にもいちいち驚かなくなったくらい
真っ白な世界が寂しくも感じるけど


初めて雪を見たあの日を私は忘れない・・・・・。


「どうした?物思いにふけって」
浩一郎に声をかけられて 振り向いた。


「あは……よく降るなって……」


「この季節が過酷だからみんな春が待ち遠しいんだ。
草花がまた色をつけてくれる アスファルトが見える
雪が溶けたら何をしようかとか
春が希望って言うのかな・・・・・・・」


浩一郎と一緒に 春夏秋冬をいつまで楽しめるのかな
この仕事にはいつかきっと
終わりが来るから・・・・・・。


「もうすぐクリスマスだね」

鼻の奥がツンとした私に 浩一郎が言った。


「あ ほんとね
ホワイトクリスマスだ・・・・・・」


「仕事すごくよくやってくれてるから
ボーナス出すよ。ちゃんと貯金しておきなさい」


現金か・・・・・
いや それはすごくうれしいことだけど
恋がお金に換算されるのが ちょっと複雑


そんなこと 浩一郎にはわかるはずないけど・・・・・


「そうだ 明日休みだから
クリスマスツリーでも 見に行こうか」


「お仕事ないの?」


「一応明日はフリー」
その言葉に 今きっと 抑えられない私
めっちゃ 笑顔だ 恥ずかしいくらいに・・・・・・・。
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