奥様のお仕事
年末に向けて浩一郎の帰りも遅くなる
仕事も忙しいけれど

スケジュールを書いたカレンダーには
忘年会と書かれている。


気の重い正月ももう少し・・・・・・・
とりあえず正月には手作りのおせち持参でいってやる。


外人みたいな女とか言われたから
絶対見返してやるから。


「正月ってね 妻には気の重い行事よね」

美由紀さんが沈んだ声を出した。


「里帰りってわかる?」


「佐伯さんの実家?」


「そうなの。彼の実家は 田舎だから
いろいろ大変なの 本家とか分家とか
私は長男の妻だから大変なのよね~
去年もけっこう意地悪されたのよね~年上女房とか
嫌味言われて」


「美由紀さんも?」


「専務さんのとこも 大変なんでしょ?
マリンさん大変だって 佐伯も言ってたもの」


「厳しかった・・・・・」


「特に会長が偏屈じじいだって あ
ここだけの話だよ~~~」



「そうなの あのじいさん ムカつく~~」


「どこの奥さんも 試練な年越しなのよね」


辛い思いをするのは どこの妻も同じな正月なのか・・・・・・。


「マリンちゃんはまだいいわよ
私なんて30日から行くのよ 長い長い~~~」


二人で 顔を見合わせて ため息をついた。





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