奥様のお仕事
「仕事をなんだと思ってる?」


「は?」


「社会に出たら遅刻無断欠勤は厳しい評価を受ける」


「社会って・・・・・」


「君の仕事は 私の妻として働くことだろ?」


「それはそうですけど・・・・」


「ならばなぜ 雇い主の俺が寝坊してる君を起こさないといけない?」


「会社勤めしてたら 直属の上司が
寝坊してる社員を起こしてくれるか?」


もう浩一郎は 昨日までの優しい浩一郎ではないようだ。


「すみません・・・・・」
ごもっともだ。


「最低限の主婦としての仕事を確認して
俺がいない時間をやりくりしてくれ。
そして最低でも朝は俺が起きる前に起きて 寝ぼけた顔を
綺麗にして 寝癖のついた髪の毛を何とかすること
素顔は夜寝る前 入浴後だ」


「え 普通の主婦は素顔で過ごす人もいます。
それは人それぞれの価値観です」


もう私も止まらない
あ~言えばこ~言う奴だなって祖父が苦笑してたけど


浩一郎が私の顎を掴んで 上に向けた。
そして 冷たい顔が近づいてきて


「仕事だよ マリン・・・・・・・
俺は雇い主 俺の要望が全てだ
これから ちゃんと伝えるようにする
マリンは賢い子だと思っていたけど ただ理屈っぽい女だってことだな」


ムッカ~~~ァァァ~~~!!!
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