冷徹執事様はCEO!?
「うぎゃー!!」

私が絶叫すると、田中は目を擦りながら起きる。

「朝から何事ですか」

眉を顰め迷惑そうな顔をしてるとこがまたむかつく。

「田中のせいでしょうが!」

「…は?私ですか」

田中はキョトンとしている。

無意識で胸を揉むなんて、こいつどんだけエロいんだ!

「何で貴方が私のベッドに寝ているの?!」

「…覚えて無いんですか?」

昨日の記憶を手繰り寄せようとする。

田中とワインを飲んだとことまで思い出せたが其処から記憶が曖昧だ。

田中は昨日のママの格好で眠っているし、私も着替えているものの、Tシャツに短パンという全く色気のない格好をしている。

酔った勢いで過ちは犯してなさそうだ。

酔い潰れた私を部屋まで運び、そこで力尽き田中もベッドで眠ってしまった、そんなとこだろう。

「覚えてない」私はキッパリ言い放つ。

「ごめん、何か迷惑掛けた?」

「迷惑というか…」

田中は遠い目をして力なく呟いた。なんか大変だったみたい。

「な、何なのよ?!その歯の奥に物が挟まったような言い方は!」

「酔って力づくで迫って来ました」

「嘘よ!嘘!」私は顔を真っ赤にして否定する。

「嘘、と言われましても…」田中は小さくため息をつき失笑する。

「燁子様が酔い潰れてしまい、部屋まで送りベッドに寝かせようとしました」

田中が昨日の話をすると、映像がフラッシュバックしてきた。
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