鳥籠の姫
 


瞬間、私の背中に声が掛かる
聞き覚えのある、誰とも間違えるはずのないあの声…






「そしたら君はその自由な翼でどこに行くんだい……?」




「!!?」



驚いて勢いよく振り向く前に、私は声の主の腕の中に居た。



「ねえ、答えてよ。君はその自由な翼を手にいれたらどこに行くつもりだったんだ……?」


「…………。」


その声には先よりも怒気が増した様に感じた。

そして、私の答えをほだす様にその大きな掌は私の首へと回る
その首筋には昨夜彼に付けられた所有の証が残っていた。

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