Sugar&Milk
私だってまだまだ若いけど、さすがに学生は戸惑う。私のこと何歳だと思っているんだろう。中山くんは私が会社員だって知っていて声をかけてくれたのは分かっている。だからこそ彼と距離が近づくと年や立場の違いがどう影響するか不安だった。
本格的に会いましょうと連絡がきたのはLINEを交換して数日たってから。日時を決め場所を決め、どんなお店にするかは中山くんに任せることにした。
『明日もお仕事頑張ってください!』
最後のメッセージに癒された。中山くんの可愛い笑顔を思い出して思わず口元が緩む。彼氏がいない生活になってからだいぶたつし、自分でも驚くほど彼との食事を楽しみにしていた。
◇◇◇◇◇
中山くんとの約束は土曜日の19時になった。私の仕事は休みだったけれど、彼はその前にバイトがあるというのでこの時間になった。
会社の駅から1駅。先日中山くんが途中で電車を降りた駅で待ち合わせだ。朝から何度も鏡の前で服を合わせ、待ち合わせ時間の15分も前に着いてしまった。最初は中山くんを警戒していたというのに、会うことを楽しみにしている自分に呆れてしまう。年下だということが私の警戒心を早々に解いてしまった。
時間ギリギリで改札の向こうに中山くんの姿が見えた。改札を抜けると早足で私が立つ柱に近づいてくる。
「遅くなってすいません……!」
中山くんは息を切らして謝る。
「時間ちょうどですよ」
「ちょっと……バイト忙しくて……」
「お疲れ様」
私の言葉に照れたように笑った。その顔がまた可愛いなと思ってしまう。困ったことに、既にこの子に意識を向けてしまっている。
「行きましょうか」
中山くんと並んで駅前を歩きだした。