真夜中のパレード
Santana



今日は冬馬(とうま)と待ち合わせをしている日だった。


待ち合わせにいつも使うのは昼はカフェ、夜はバーの『Santana』という店だ。


『Santana』に到着すると、待っていた冬馬が鋭い目をいっそう釣り上げた。


「おい、ふざけんな」

「えっと……」


長めの金色の髪には赤いメッシュが入っている。


服装もとても自分と同じ二十四歳で、社会で真っ当に働いている人間には見えないほどロックで独創的だ。




耳には見ているだけで痛くなりそうなほどたくさんピアスが付いている。
おそらく片耳に七つくらい。


小さい頃から互いを知っている幼なじみだから今さら怖いとも思わないが、この格好で初対面として出会ったら間違いなく関わりあいになるのを避ける人種だろう。


そんなことを考えていると、冬馬はもう一度不機嫌そうな声を出した。


「お前、それ落としてこいよ」

「だって……」

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