やっぱ半径1メートル以内、立入禁止。
「…………はぁ〜……」






トイレの洗面台で鏡に向かって化粧直しをしていると、何度目かも分からない溜め息が唇から洩れ出した。






「おっきな溜め息ねぇ」






背後から笑いを噛み殺したような声が聞こえて、あたしはパフを頬に当てたまま振り返った。






「あ、お疲れ様です!」






苦笑いを浮かべながら隣に立ったのは、先輩の赤坂さんだった。






「清水さん、最近ちょっと元気ないね。


何かあったの?」






「え……元気ないですか、あたし」






「うーん、ほら清水さんて、いつも元気いっぱいで蓮見くんと言い合いしてたじゃない?

最近それ見ないなあ、って」







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