黒色女子を個人授業
私は彼女のことを『花』と呼び、彼女は私のことを『彩香』と呼んでくれる。

社交的ではない私にとって仲の良い社員は数少ないのだが、花はその中でも特に親しくしている友人の一人だ。


休憩スペースにひと気がないことを確認して、私はさっそく話題に入った。

「花はさぁ、大城さんと一緒に仕事したことあるんだっけ?」

私の質問に花は「うん、前に一度」と答えてから「ああ、今、彩香と同じプロジェクトについてるんだっけ?」と思い当たったようだった。


私は当たり障りなく「どんな人だった?」と聞いてみる。

花は、うーん、と思い出す素振りをしながら

「気さくな人だったよ。みんなのこと気にかけてくれるし、仕事しやすかったなぁ。
なにより、顔が良い割に気取ってないのが素敵だよね」

特に最後のポイントには満足そうに答えた。
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