Sweet Lover
「忙しいのね」

携帯電話を手で持て余していた響哉さんに声を掛ける。

「……誰かが俺を陥れようとしているんだよ」

「え?」

穏やかでない言葉に、動揺した私に、響哉さんはごく自然に近づくと、その長い指で私の髪をそっとかきあげた。


うわぁ、近いですっ。

のけぞろうにも、その手はしっかり私の頭を抑えていて離してはくれない。
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